「90年代は遠い過去」- Florian Kupfer来日によせて

 

 

2.24(Fri)”Florian Kupfer”の来日パーティーにてDJします。
自分の周りの同世代には音楽好き云々関わらず是非来て欲しい。そして体感して欲しい。
ちろっと音楽的な話するけど、基本的にファッションと絡めて書いたのでお時間ある方は読んでいただけると嬉しいです、、、、。
-
アナログのマシーンビートが用いられた彼のトラック。ヘビィでノイジーな電子音と、不安定ながらも生暖かいサンプリングボーカルやシンセサイザーが同居し、そのローファイ(音質の悪い)な質感には夢の中に取り残された時の不安で歪んだ感情を思い起こさせます。しかし、それは決してネガティブではなく、共通して必要不可欠な感情であって、むしろ自分と同じ世代に生まれた人間はより共感しやすい感情なんじゃないかなぁと思います。
-
彼が所属するNYの”L.I.E.S Records”。ハウスとテクノを行ったり来たりしつつ、ノイズ/ドローン/インダストリアルとも密接な実験的トラックが立て続けにリリースされ、10年代の地下音楽シーンを代表するレーベルです。アナログマシーンを使用し、80~90年代のトラックからサンプリングされた音をミックスしモダンに昇華させる、、、、。
そう、いわゆる”ロウハウス”と呼称される音楽の総本山レーベル。
-
音楽的な要素の話は得意じゃないからここでストップ。
-
-
最近めちゃくちゃ思うのは、「90年代は遠い過去だ」ってこと。
1995年生まれの自分にとって2000年は5歳とかの話で、90年代での記憶は曖昧だしVHSのようないわゆるローファイな映像でしか知らない世界。ファッションでは90年代リバイバルがよく語られるけど、そうした”回帰”は「90年代をグッと過去のものとして認識すること」を意味しているんだと思う。
-
ノスタルジア”は人にとって中毒的な魅力を持ち得る中で、VHSだったりカセットテープの音質だったり、昨年流行った写ルンですもそう。歳をとり、記憶が鮮やかになるにつれて画質も音質も向上していった90年代生まれは”ローファイ”をノスタルジアとして、生な感覚で消費出来る世代なんだと思う。
-
そして、ローファイ(音質の悪さ)だったり、VHSやカセットなどの非利便的なモノへの執着は一般的に良しとされるもの・メインストリームで流行っているもに対するアウトサイダー的な価値観も感じる。
L.I.E.Sの発信する数々の音楽にそうしたパンク的なマインドを感じられずにはいられないし、アウトサイダー的な感覚を持つ人々の心を充足させてきた側面を感じる。
-
現代における音楽版の”黒の衝撃”だ!と自分が感じてしまったのは(黒の衝撃なんてもちろんYouTubeにアップされているVHS画質のムービーでしか見たことがない)L.I.E.SのTシャツが、コムデギャルソンの川久保玲が総ディレクションを務めるドーバーストリートマーケットに取り扱われている事実から、偶然ではなかった気がする。また、作為性が薄れ、聞き手が想定されてないんじゃないか?と思わされるその音に、川久保玲の多くは語らない態度を想起させる。
-
上の方で登場したロウハウス(raw-house)。正直ここ1年しか聞いてない若造が音楽的見地から語れるもんではない。ただ一つだけ興味深いのが”raw”という言葉の意味だ。rawの意味は”生”であることを知ってる人は多いと思う。その他の意味として「未熟な、粗野な、下品な」という意味がある一方で、「イカした、粋な」という意味が存在する。ロウハウスと名付けた人の真意はわからないけど、そうした意味が同居し、”gosha rubchinskiy”にも見ることが出来る「ダサカッコイイ」的な態度が込められていると考えると一気に魅力的になってしまう。
-
Florian Kupferに話を戻します。”Florian Kupfer”は、コムデギャルソンからサポートを受け一気に注目された”gosha rubchinskiy”の相方で、素晴らしいトラックを作る”Buttechno”とも親交がある。(先ほどロシアで行われた”gosha rubchinskiy”の17-18AWのアフターパーティーでは”Buttechno”が”Florian Kupfer”の代表的トラック”Feelin”をかけていた)音楽やアート・フォト・ファッションなどあらゆる要素が絡み合って進行するロシアの郊外アンダーグラウンドシーンと感覚を共有し、ロウな感覚を持つ彼のプレイを、是非CIRCUS TOKYOのフロアにて身体全体で体感してほしいです。
(ロシアの郊外アートシーンについての面白い文献Outsider art: why Russia’s hottest designers and artists love the suburbs
http://calvertjournal.com/articles/show/2466/suburbs-in-music-art-and-fashion-russia)
-
国内からはBoilerRoom(海外のライブ配信番組)に先日DJしたLicaxxxパイセンとAsparaさん。
ラウンジではマイメンのHairiと、ロウハウスを教えてくれたKazuhoくん。そしてkeiburgerさんがDJします!
-


以下詳細
==========================================
HŌDEN Florian Kupfer Japan tour 2017 Tokyo  
2017/2/24(FRI) OPEN: 23:00 
at Circus Tokyo 

DOOR: 2000yen 
ADV: 1800yen

LINEUP: 
Florian Kupfer (L.I.E.S. / Technicolour / W.T. Records / Berlin)  
Licaxxx
aspara

1st FLoor: 
keiburger
KOTSU (Faucet/CYK) 
Hairi Oku (SWIMS) 
KAZUHO (REMEDY) 
==========================================
***********************
国内でも依然人気のL.I.E.S.やNINJA TUNE傘下のレーベルTechnicolourからの快作で知られるFlorian Kupferが初来日!!
初のリリースとなった ”Lifetrax” はリリース後即完しDiscogsでも高値をつけ、収録曲の “Feelin” はアンダーグラウンド・アンセムとしてRAの年間チャートにもセレクトされた。また昨年初来日を遂げ音楽業界に留まらずファッション業界でも注目を浴びているロシアン・アンダーグラウンドの新星Buttechnoことバベルの運営するギャラリーを訪れ、レコーディングを共にしたりと親交を深めており(Florianのロシア公演は何度かButtechnoがオーガナイズしている)、ロウハウス・ムーブメントの中核としてアンテナの高い彼のDJとしてのプレイに期待が高まる。
共演は今年1月から「BAZOOKA!!!」レギュラーメンバーとして出演、ラジオパーソナリティとマルチに活躍する一方、昨年末にBoiler room出演を果たしDJとして更なる躍進が期待されるLicaxxx、そして今回彼女と共に”MAL”を定期開催し大阪拠点ながらも東京での露出が増えるasparaが彼女の選出により実現。1Fフロアではロウ・ハウス好きの若手DJ陣が花を添え、一晩通しダンス狂いとストリートに牙を剥く。